日浦小中 修業式式辞
まずはじめに、御礼です。9年生、6年生の卒業式の時には、準備や式での立派な態度で卒業生を精一杯お祝いしてくれてありがとうございました。皆さんの温かい送り出しのお陰で、9年生も6年生も、笑顔で卒業していってくれました。
先程、各学年の代表の人にお渡しした修了証は、1年間の勉強を終えて、次の学年に進むことができるという証です。さて、今日は1年間最後の日です。各学年がそれぞれ頑張った状況を漢字1字に表してみました。難しい漢字があるかもしれませんが聞いてくださいね。
1年生は、この間入学式で名前を呼んだと思っていたのに、4月には、2年生になります。来年の1年生を迎えるための新入児説明会では、すでにお兄さん、お姉さんらしさを発揮して、自分たちで考えたおもてなしをしてくれました。心も体も立派に成長しましたね。1年生の「先」は先輩の先です。
2年生は、「生」。学級担任の先生と毎日命の「い」を大切に生き生き生活しているのが素敵です。随分大きくなったなあと頼もしく思っています。今年は地域の方との交流にも力を入れてくれて、1、2年生合同で生活科でよく地域に出掛けました。日浦の方々に大変好評です。ということで「生き生き」と生活科の「生」です。
3年生は、一番小さな学級でしたが、いろんな場面でとてもよく努力しました。学級担任の先生との信頼関係ができていて、いつも先生のお話を素直に聞いていますよね。なので「小」です。小さいという意味もありますが、先生の「小」でもありますね。来年度も小さな努力でいいのであきらめず努力を積み重ねていきましょう。
4年生は、子規博でのコンテストにへちまを出品、石手川の水の調査も積極的に取り組みました。自ら進んで学んでいること、そして「海・山・川」の自然を大事にしているところから、自主的の「自」、そして、自然の「自」ですね。来年は高学年です。責任感を持って頑張ってください。
5年生は、「覚」。来年度はいよいよ最高学年です。先日の6年生を送る会では、企画や準備に走り回り、楽しくすばらしい会にしてくれました。もうすでに最高学年としての自覚ができつつありますね。頼りにしています。小学校をリードしてくださいね。ということで自覚の「覚」です。
7年生は、4月に入学した頃に比べて、中学生らしくなったなあと感心しています。学級担任の先生、副担任の先生にしっかりついていってくれていますね。この一年間で7年生には特に大きく成長したと感じています。そこで、成長の「成」です。今後の大きな伸びをさらに願っています。
8年生は、「期」。少年式を終え、また一歩大人に近づきました。来年度、日浦小中学校9年生として今年以上の活躍を大いに期待します。今年の9年生以上の大活躍ができる学年になってきました。そこで期待の「期」です。
ちなみに6年生は、抜群の表現力を発揮した「演」。9年生は思いやりの「お」を実践する「慈」でした。これも何となく納得ですね。
では、この一年間のお互いの頑張りと成長に、拍手をし合いましょう。
明日からは春休みです。この一年お世話になった先生や、送り迎えをしてくださった家族の方に感謝の気持ちをもって、できればお家のお手伝いもしっかりしながら、一日一日を大切に過ごしてほしいと思います。これまでもみなさんにお話ししてきた「いあうえお」を休み中も心にとめ、4月8日に元気でまた会いましょう。
中学校卒業式 校長式辞より
厳しい冬の寒さにじっと耐えていた日浦の木々も、小さな芽が膨らみ始めています。春の訪れと共に迎えた今日の佳き日に、御来賓の皆様ならびに地域の皆様のご臨席を賜り、令和6年度卒業証書授与式が、このように厳粛に挙行できますこと心より感謝申し上げます。本日は、まだまだ寒い中、御参列いただき、誠にありがとうございます。
さて、たくさんの懐かしい思い出と、大きな夢や希望を胸にして、本校を巣立っていく、9名の皆さん、卒業おめでとうございます。
みなさんが、今、手にしている卒業証書は、中学校の全課程を修了した証明です。手渡しした時、一人一人の表情に、晴れやかさとともに、新たな出発への決意が感じられ、とても嬉しく思いました。
皆さんは、この自然豊かな日浦の地で、中学校生活の三年間を過ごしました。時には笑い、時には悩みながら、仲間と共に成長してきました。思い出を振り返ると、たくさんの場面が浮かんできます。
私と皆さんとの出会いは、京阪神への修学旅行から始まりました。しまなみ海道を越えて、日本文化の中心地、奈良・京都へ。神社仏閣では、先輩方が築き上げた伝統を引き継ぎ、丁寧な手作りガイドを披露してくれました。笑顔いっぱいの修学旅行で忘れられない思い出となりました。蝉の声が響き渡る夏が過ぎ、義務教育最後の運動会では、9年生競技での団結力と仲間意識の強さに圧倒されました。まだ、記憶に新しい12月の日浦駅伝。勝敗を超え、襷(たすき)をつなぐことに込めた皆さんの熱い想いが、私の心を大きく揺さぶりました。そして、寒い冬が訪れ、今年は雪が舞い散る日もありました。それぞれの進路に向けての学習を積み重ね、今日、今後の人生への第一歩となる節目の日を迎えることができました。
皆さんの門出にあたって、先週、ここで、全校児童生徒の皆さんの前で書いた『好奇心』というはなむけの言葉を贈ります。
愛媛県出身でノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎教授は、次のように語っています。"The most interesting research is driven not by its importance to society, but by curiosity."
日本語に訳しますと「最も面白い研究は、社会のためにするのではなく、好奇心に突き動かされてするものだ」という内容です。
教授は気候変動の研究に取り組み、地球温暖化のメカニズムを分析しました。その根底にあったのは、「知りたい」という強い好奇心でした。そして、こうも言っています。「分からないことを恥ずかしがらない、怖がらない、嫌がらない。」
これから皆さんが進む道では、たくさんの「分からないこと」に出会うでしょう。でも、それを避けるのではなく、むしろ楽しんでください。「分からない」を「分かる」に変えること、そして、「できなかったこと」が「できるようになる」こと、それこそが学びであり成長です。
人は、道を歩むたびに、新しい世界が見えてきます。学び続け、成長し続ける限り、世界はどこまでも広がります。だからこそ、皆さんにはこれからも「好奇心」を持ち続けてほしいのです。それでもくじけそうになったときは、思い出してください。皆さんの心には9人と学級担任、副担任の先生で創り上げた強固な絆が深く根をはっていることを。今の皆さんなら、必ずやれる。日浦で培った豊かな感性で研ぎ澄まされた「好奇心」を発揮して、大きく伸びていってくれると、私は強く信じています。
最後になりましたが、保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。これまでの温かいご支援に、心より感謝申し上げます。これからも、夢の実現を目指したすばらしい人生を歩んでいけるよう、教職員一同、お祈りいたしております。
また、ご来賓の皆様、地域の皆様、日浦の子どもたちを温かく見守ってくださり、本当にありがとうございました。今後とも、変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
それでは、そろそろ、お別れの時が迫ってまいりました。卒業生の輝く未来に「Curiosity」というエネルギーが満ち溢れること、そして、いつの日か9つの大きな花が咲き誇ることを祈念いたしまして、私の式辞といたします。
令和7年3月17日 松山市立日浦中学校 校長 日野 伸介
少年式「式辞」 ~「心の軌跡」は「心の奇跡」~
立春を目前に、梅の花が咲き始めました。わずかながら暖かくなり、季節は確実に春へ向かっていると感じられる今日のよき日に、こうして「少年の日」を迎えられた6人の8年生の皆さんと御家族の皆様方に心からお祝い申し上げます。
8年生の皆さん、少年の日おめでとうございます。今日の式に向けて、皆さんが書いた「少年式記念文集」を読んだり、美術作品を見させていただいたりしました。自分を見つめ、将来を見据え、十四歳の自分は今、どうあるべきか、どういう生き方をしなければならないかを必死に考えようとしているみなさんを、とても頼もしく感じました。思春期と呼ばれるこの時期を懸命に生きながら、着実に成長していることもよく分かりました。
さて、日浦小中学校には、心の軌跡というポートフォリオがあります。私は、以前にも興味があって読ませていただいたことがありました。今回、このような記念すべき少年の日を迎え、もう一度、じっくりと目を通してみました。
最初のページには、小学校1年生に入学したときの新鮮で不安と期待の入り混じった何とも表現できない気持ち。次は、2年生に進級し、新入生からお兄さんお姉さんとして認められる嬉しさと戸惑いの感情。3年生となり、社会や理科の学習が始まって、2階の教室に上がるだけで背伸びを感じた気分。4年生では、徐々に学習が難しくなってきたのを感じ、家庭での学習をおろそかにできないと悟った反省。高学年となった5年生では、自然の家で宿泊し活動を通して友達と語り合った思い出。そして、6年生として最高学年となり、学校をリードする立場となり始めて痛感した責任感という心情。さらに、この日浦中学校に入学し、小学校のころとは違った教科の学びの面白さと難しさを積み重ねてきた思い。そして、今日まで、自分の生き方を模索し、卒業後の進路についてまで思いを巡らせてきた日々。それらの8年間の成長の跡が、まるでドラマのように私の脳裏に思い浮かびました。
その軌跡の一つひとつが、皆さん自身の努力と周囲の支えによって築かれてきたことを思うと、心が熱くなります。例えば、運動会で全力を尽くして仲間とともに全校リレーに挑んだ瞬間や、多くの観衆の前で緊張しつつ箏の演奏に取り組んだ連合音楽会、さらには全小中学生全員で取り組み襷をつないで達成感を味わった日浦駅伝。それぞれの経験は、楽しい思い出としてだけでなく、仲間との信頼や責任感、そして努力することの大切さを教えてくれたはずです。この「心の軌跡」というポートフォリオは、「心の奇跡」とも言うべき、6人全員のかけがえのない奇跡的な成長の歴史とも言えるのではないでしょうか。
そのような皆さんに、歴史上の人物である坂本龍馬のエピソードを紹介いたします。龍馬は「世の人は我を何とも言わば言え、我が成すことは我のみぞ知る」と言い、周囲の評価や批判に惑わされず、自分が信じる道を突き進みました。彼が夢見た新しい日本を作るという志は、時代の壁を乗り越え、今日の私たちに大きな影響を与えています。皆さんも、自分の信じる夢や目標に向かって突き進む勇気を持ち続けてください。そして、世界でただ一つの特別なストーリーが生まれることを、心の底から強く願っています。
今日の「少年式」が、8年生にとってのよき「節目」となることを大いに期待しています。そして、御家族や先生たちはもちろん、「日浦」でつながる多くの人が、6人の成長と幸せな未来、そして新たな「奇跡」を生み出していくことを、心から応援していることをお伝えして、少年式の式辞といたします。
令和6年度3学期始業式 校長式辞
全校児童生徒の皆さん、そして先生方、改めまして新年あけましておめでとうございます。令和6年度3学期の始業式を、このようなすがすがしい冬晴れの朝に迎えることができましたことを、心から嬉しく思います。
皆さんが学びに集う日浦地区は、四季折々の自然の美しさに包まれた山あいの里です。この地には古くから、人と自然が共存し、助け合う文化が息づいてきました。その象徴的な出来事の一つとして、12月のふるさとフェスティバルで実演した新田義宗の実話が言い伝えられています。昨年、このような日浦の歴史をまとめた「日浦のむかし」という冊子を小学校で監修、発行しました。この冊子にこめられた精神は、私たち日浦小中の誇りであり、皆さんの未来を照らす大切な教えです。
今年の干支は「へび」、巳(み)年です。へびは、少し怖いイメージを持つかもしれませんが、その脱皮を繰り返して成長する姿は、挑戦し、進化を遂げる私たちの姿そのものです。今年は、皆さんが新たな自分を発見し、変化を恐れず一歩前に踏み出す年となることを期待しています。
さて、今日、皆さんに特にお伝えしたいのは、「い あ う え お」の中の「思いやり」の「お」です。中学生の皆さんには、冬休みの課題として、今年1年の決意を表す漢字一字を選んでもらいました。多くの生徒の皆さんが選んだ漢字から、今年にかける強い思いが感じられました。私も「思いやり」を表す漢字として「慈(じ)」という一字を選びました。「慈」とは、深い愛情と思いやりを意味します。この言葉を胸に刻み、生活の中で実践していくことが、より良い学校生活を築くための第一歩です。例えば友だちが困っているときに何ができるかを考えること、自分自身を励ましながら努力すること、そして地域の人々や家族への感謝を忘れないことなどです。この精神は、新田一族を温かく迎えた日浦の先人たちの協力の歴史とも重なるものですね。
皆さんがこの「慈(おもいやり)」の心を発揮した行事が、昨年12月の日浦駅伝です。アップダウンのある山道を舞台にした駅伝大会に向けて、小中合同で練習に励みました。当日、全力を尽くし、仲間を信じ、互いを励まし合いながら襷をつないだ姿は、見ていたすべての人に大きな感動と感激を与えてくれました。特に、最後の4班のアンカーを務めた心明さんが最後のゴールテープを切るまで諦めなかった姿は、まさに「慈(おもいやり)」の心が形となった瞬間でした。あの経験は、皆さん一人ひとりの胸の中に生き続けていることでしょう。
3学期は、1年間の集大成となる重要な学期です。「慈(おもいやり)」の心を胸に、友だちや先生、そして自分自身と向き合い、日浦の大地でさらに大きく成長していってください。令和7年の新しいスタートに大いなる期待を込めて、私の式辞とさせていただきます。
2学期終業式式辞
R6.12.25
まずは、皆さん一人ひとりが2学期を無事に終えることができたことに、大きな拍手を送りたいと思います。よく頑張りました。さて、毎年12月に「今年の漢字」というのが発表されているのを知っていますか?これは「今年はどういう一年だったか」を漢字一文字で表現するものです。今年の第1位は、「金」でした。今年は4年に一度のオリンピックが開催されたからでしょうね。
さて、私も令和6年を振り返ってみようと、日浦小中学校の「今年の漢字」を考えてみました。たくさんあって難しかったですね。1字を選ぶのはもちろん2つ3つにするのも難しく、結局8つ選びました。一つ一つ一緒に振り返ってみましょう。
1つ目は「襷」です。 いきなり難しい漢字ですが、何と読むか分かりますね。たすきです。先々週の駅伝大会では、3位に入賞した1班だけでなく全部の班が最後まで「襷」をつなぐことができました。
2つ目は「然」です。 自然のぜんです。日頃から日浦小中学校は、自然とともに学んでいますね。9月には小学校4年生が育てたヘチマがコンテストで入賞しました。4年生男子の頭より大きなヘチマが子規記念博物館で表彰されました。中学生は、11月末に興居島へ行きました。フェリーに乗って海を渡り、山とは違う島の自然に触れるよい機会となりました。
3つ目は「魂」です。 運動会のスローガンを覚えていますか。『全身全霊仲間とともに心に刻め日浦魂』でしたね。まだまだ暑い10月初めでしたが、大玉リレーやバンブー選手権、綱引き、そしてダンスにリレーなど、日浦「魂」が燃え上がった一日でした。
4つ目は「働」です。 勤労のどう、あるいは労働のどう です。小学校1・2年生は、10月末に校務員さんと一緒にたまねぎを植えました。実際に体を動かしての自然体験活動でした。全校で稲刈り脱穀も行いました。一方、8年生は、10月後半に3日間も実際の職場で働くことを体験しましたね。働くことの意義を肌で感じ取ることができましたね。
5つ目は「音」です。 11月半ばの連合音楽会では、市民会館で、小中学生の合唱に加えて日浦太鼓や琴、しの笛の演奏を披露することができました。練習の成果が発揮できましたね。一方、12月初めの中学校での薬物乱用防止教室では、5・6年生も参加して、めったにない雅楽を鑑賞する機会がありました。日本古来の楽器演奏を初めて聞いた人が多かったようです。
6つ目は「学」です。 今学期も多くのことを学習しました。小学生は、総合的な学習の時間に、日浦地域を訪問したり、地域の方々から学んだりしています。10月末に、3年生は、地域の名人さん探しで竹山荘まで歩いて行きました。日浦の秋を感じることもできました。中学生は、11月後半に期末テストに取り組みました。難しい問題にもあきらめず挑戦していましたね。
7つ目は「歴」です。 12月初めには、PTA及び地域の皆様の御協力のもと、小学校創立150周年記念ふるさとフェスティバルを開催しました。各学年児童の皆さんの、迫力ある演技はすばらしかったですね。本格的に「ひめリリィ」もデビューしました。最後には中学生も協力して150年の歴史を刻むことができました。
最後は「笑」です。 えがおの「笑」です。10月後半に行った6年生の修学旅行では、世界遺産を見学し、平和を願った後、みろくの里では6年生の笑顔大爆発でした。人生最高の思い出となったことでしょう。普段の学校生活においては、毎日、笑顔で学んでいます。タブレットを使って学習し、生き生きと笑顔で授業に臨んでいましたね。
今日紹介したこと以外でも、小学校では、平和の語り部学習、山彦会の方々との交流、定期的な読み聞かせ、俳句教室、月1回のクラブ活動と陸上総体への出場。中学校では後ソフトテニス部の活動や新人大会出場、ホタルの放流や炭焼き、家庭科での幼稚園実習、先日のビブリオバトルなど、多くのことにチャレンジして頑張りました。
皆さんにとって、この1年はどんな1年だったでしょうか。また、令和7年に新たにがんばりたいことはどんなことでしょうか。中学生の皆さんには、このあと教室で、「校長先生からの簡単な宿題」を出します。皆さんが、新年の願いや決意をどんな漢字1文字に込めるのか、始業式の日に見せてもらうのをとっても楽しみにしています。
皆さんが元気で、希望を抱くことができる、そんな令和7年を迎えられることを祈って、第2学期終業式の式辞といたします。
★第18回日浦駅伝の感動が、来年度以降も続くことを願います。
晴天ではありましたが、吐く息の白い初冬の寒さの中、14日に、第18回日浦駅伝競走大会が無事に終了いたしました。この大会に御参加いただいたすべてのチームの皆様に、心より感謝申し上げます。子どもたちが一生懸命に走る姿を見守り、応援してくださった皆様の熱意が、競技の盛り上がりに大きく貢献しました。遠方より御参加いただいたチームの方々には、特に深く感謝を申し上げます。
さらに、この大会を盛り上げてくださった日浦地域の皆様にも、感謝の気持ちをお伝えいたします。沿道での温かい声援等、皆様のお力添えが、大会の成功には欠かせませんでした。事前の走路の整備と草刈り、公民館様からの予算の御協力等、地域全体で学校を見守り、応援していただけることは、子どもたちにとって大きな支えであり、私たちにとっても何よりの喜びです。
また、本大会の運営と成功には、保護者の皆様と教職員の陰の力がありました。530運動とコースの安全確認、準備分担、そして当日早朝からの進行管理など、皆様方の細やかな配慮があったからこそ、大会がスムーズに進行し、子どもたちが存分に力を発揮できる環境が整いました。
そして、何よりも頑張ったのは子どもたちです。練習の成果を存分に発揮し、小中のチームの仲間とともに日浦を疾走し、襷をつなぐ姿には、多くの感動がありました。特に、下級生から上級生へ、何としても次のランナーへ襷を渡さなければ・・・という強い気持ちが伝わってきました。18年間の歴史の積み重ねが、背中を押してくれたのですね。
目標に向かって、体育の授業や業間マラソン、ひうら体育等で努力を重ねた経験は、これからの成長にとって大きな力となることでしょう。興居島中及び中島中の生徒の皆さんの快走、力走にも胸が熱くなる思いでした。保護者の皆様や卒業生の皆さん、愛媛銀行道後支店の皆様も含め、それぞれのランナーの表情からは、走り切った達成感と、仲間と共有した喜びがにじみ出ていました。
この駅伝大会を通じて得られた絆と学びを、今後の学校生活や自己の成長に生かしていければと思います。引き続き、皆様の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。繰り返しになりますが、本当にありがとうございました。
R6.12.17校長
第18回日浦小中学校駅伝競走大会に向けて(校長より)
いよいよ今週末の12月14日(土)には、第18回日浦小中学校駅伝競走大会を開催します。今年度は、本校6チームと、例年参加していただいている興居島中に加えまして、中島中からの申し込みがあり、また、日浦小・中OBと保護者チーム、愛媛銀行様も、参加していただけます。小学校1年生から大人まで総勢130人前後が健脚を競うこととなり、参加者過去最大の大会となりそうです。この大会は、小中学生一人ひとりが全力を尽くす姿が輝くだけでなく、地域の皆様と学校が心を一つにする貴重な場でもあります。
日浦駅伝の発祥は、今から18年前、当時の武田峰紀校長先生と日浦小の南先生(現久米中教頭)を中心とする教職員の皆様方が、地域に元気と活気を届けるために始めた大会です。南先生が、武田校長先生が小学校運動場から地域の道路を眺めている雰囲気を見て、「日浦駅伝」を提案されたとのことです。 バス乗降場をスタート&ゴールとして、8の字を描くように日浦の道路を疾走するコースを設定し、整備しました。走路となる道路を清掃する「530運動」は、この時期から始め、伝統的な行事として今も続いています。先日も、早朝から道端の除草をしていただいている地域の方にご挨拶させていただきました。お力添えいただき、深く感謝申し上げます。教職員も、小中体育主任が中心となって企画・運営し、指導を積み重ねてまいりました。後は、参加者が万全の健康状態であることと、当日が初冬の寒さを吹き飛ばす晴天であることを、願うだけとなりました。
この日浦の山里は、緑あふれる山間部の大自然に囲まれており、心が温まる美しい地域です。しかし、過疎化と高齢化の波が押し寄せ、賑わいが減ってきていることも事実です。そんな中でのこの伝統行事は、地域に元気を届ける特別な意味を持っています。走者がつなぐ襷は、学校と地域を結ぶ絆となることでしょう。
児童生徒の皆さん、体育の授業や行間マラソン、ひうら体育などの練習で積み上げてきた努力を信じ、力強く走り抜けてください。皆さんの一生懸命な姿や、最後まで諦めず挑戦する姿は、日浦の皆様方に勇気と感動を届けます。また、大会の成功を支えてくださる保護者の皆様方や地域の方々には、重ね重ね心より御礼申し上げます。本当にありがとうございます。当日は、是非とも足をお運びいただき、本校児童生徒だけでなく、襷を渡すべく力走するランナーへ、直々に熱い声援をいただければありがたく存じます。
この日浦駅伝大会が、学校だけでなく日浦地域にとっての希望や活力となり、参加者及び応援者全員が心を合わせた素晴らしい一日となることを願っております。
11月9日(土)学校説明会 校長挨拶より
本日は、ようこそ日浦小中学校においでくださいました。私は、小・中両方の校長をしております日野伸介と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。
本日は、小学校1年生から中学校3年生までの全学年の授業を公開いたしました。簡単に本校のよさを3つお話します。
1つ目は、何といっても、この豊かな山の大自然の中での学習や体験活動の充実でございます。朝、私が出勤しますと、まばゆい木漏れ日とやや黄金色に変わり始めた一面の緑の木々が目に入って参ります。秋の深まりを感じさせる鳥のさえずり、静かに流れる石手川と福見川のせせらぎが聞こえて参ります。子どもたちを育てる環境としては、最高の自然環境に恵まれていると強く感じております。都市部の交通混雑やストレスから離れ、落ち着いた環境で学びを深めることが、義務教育の成長期には大変よい影響を与えることはまちがいございません。
2つ目は、この日浦の地域社会と密接に結びついていることです。1学期は、ホタル観賞会、田植え、ヒメユリの播種、県植樹祭への参加、近隣の食堂への野菜の提供等を実施いたしました。学校周辺の地域の皆様方やPTAの方々、関係者の皆様方には随分御協力をいただきました。2学期も、運動会への協力、稲刈り、脱穀。他にも、小学校の校区内探検や地域に根ざしたSDGsの学び、中学校での炭焼きなど日浦ならではの学校行事に加えて、公民館行事として春のたけのこ掘りや、夏の川施餓鬼などの様々な地域行事もさかんです。
3つ目は、学級の人数が少ないため、一人一人に目が行き届き、きめ細かい指導や支援ができやすいという点です。現在小学校1年生から中学校3年生の各学級の人数は、最小は4人、最大でも11人です。例えば、学習面でのつまづきなどに寄り添う形で対応することができる教育環境でございます。小中20人余りの教職員で強固に連携し、9年間を見通して児童生徒の教育にまい進しております。
本校の場所は、石手川ダム上流という山間部ではありますが、市役所第4別館からは約45分、石手の岩堰のバス停からならば約20分で到着です。本日、同席しております松山市教育委員会の担当指導主事からこの後、詳しく説明を行います。現在運行しているスクールバスは、3年程前にリニューアルされています。小中ともにバス停から徒歩5分足らずですので、もうすぐ寒い冬が訪れますが、徒歩通学の長い地域より安心安全だと言えるでしょう。
これを機に、本校への入学を希望してくださる方が一人でも増えると大変うれしいです。皆様、是非、日浦へ来てともに学びましょう。
秋の日浦
国道317号線から見上げる山々がわずかに黄金色に輝き始め、山里の学校にも秋の気配が感じられるようになってきました。朝の冷たい空気が肌に触れると、夏の暑さが過ぎ去り、秋の静かな到来を実感します。窓を開ければ、風に乗ってくる落ち葉のカサカサとした音や、時折聞こえる遠くの虫の鳴き声が、秋ならではの静寂と自然の豊かさを教えてくれます。
秋は、山の学校にとって特別な時期です。児童生徒たちは、理科の時間で、山中に点在する緑の変化を目にしながら、植物の葉の色が変わる理由を考えたり、校内に飛んできた秋の虫たちを優しく手で捕まえたりしています。中には、タブレットで秋の自然の移り変わりついて調べている子もいました。学校周辺の日浦地域全体が教科書となり、実際に見て、触れて、体験することで学びが深まっていきます。9月末には、各学年で散策に出て、タブレットを用いて真っ赤な彼岸花の写真を撮影しました。中には真っ白の彼岸花もありました。12月のふるさとフェスティバルでは、優秀作品が表彰されます。また、先日は、生活科の授業の一環で、低学年の児童たちが校外学習に出て近くの歩道を散策しました。たくさんの種類の落ち葉を見付けましたが、まだまだ暑く、河川の流れに足を浸して遊んだそうです。校内に戻った後、彼らはみんな笑顔で「楽しかった。面白かった。」と、清々しさを口にしていました。中学校では新人大会に参加し、ソフトテニスの熱戦を繰り広げました。
この季節には、両校舎の裏にある石手川と福見川も穏やかに流れています。夏の間、激しい雨で水位が上がっていた川も、今はその勢いを落ち着かせ、清らかな水がゆっくりと岩を滑り流れています。この川沿いでの静かなひとときは、子どもたちだけでなく教職員にとっても大切なリフレクションの時間でもあります。児童生徒のバスの送迎時に小中教職員は情報交換をするだけでなく、川辺を歩きつつ、自分の思いに耳を傾けることで、日々の教育活動を振り返り、心落ち着ける時間を過ごしています。
教室の中もまた、秋色に染まってきました。小中学校ともに、国語の読み物教材の時間には、秋にちなんだ物語に親しんでいます。教室の窓から見える山の風景は、まるで絵画そのもの。中学校の生徒たちは、美術の授業で、日浦の風景写真を基に粘土で公共物を創るというパブリックアートに挑戦しています。また、家庭科の調理実習では、地元の秋の味覚を使った料理にも取り組んでいます。1学期末には、学校で収穫したじゃがいも等を近隣の食堂に提供していたのですが、その店舗では、そのスイーツが好評で、材料がなくなり、品切れとなってしまったという情報も入ってきました。日浦の短い秋は「読書の秋」「芸術の秋」とも言えますね。
運動会に向けて
本日、運動会に向けての総練習(予行練習)を終えました。少人数そして小中合同という環境で、松山市内の中大規模校とは違った特色及び留意事項を見直しました。10/5の本番に向けて、教職員一同、小中体育主任さんを中心に最後の指導と支援に取り組み、児童生徒の「え」がおあふれる運動会を創り上げたいと思っております。よろしくお願いいたします。
さて、先週の全校練習の際に、1時間程度でしたが、近隣の五明幼稚園の園児さんが見学に来ました。全校のダンス練習を見学していましたが、特に運動場で練習をしていた赤組9年生女子リーダーに鋭い視線が注がれていました。園児にとって、人前で声を出して指示をするのは、先生しかいないという思いだったのでしょう。あのお姉さんはなぜ前にいるのだろう? マイクで何と言っているのだろう? 最初は、緊張して硬そうな表情をしていました。が、女子リーダーの分かりやすくてきぱきとした指示、音楽に合わせたリズミカルな動き、満面の笑み、そして全児童生徒を的確にリードする姿に、一種の憧れを抱いたと思われます。しばらく黙って見入っていましたが、最後には手拍子とともに笑って踊り始める園児の姿が・・・。9年生が考案したダンスの動きが、園児の心をも魅了したのでしょう。そこには、まぎれもなく小さな彼らにとって憧れの的となるスーパースターの女子生徒がいました。帰り際に園児は、彼女に抱き着いていました。スーパースターの一挙手一投足が見る者の心を引き込み、元気と勇気と希望を与えてくれます。今の私たち日本人が「大谷翔平」に感じている想いと、共感する部分がありますね。
全児童生徒の皆さんには、「大谷翔平」に負けない存在となって、日浦から全世界に発信してほしいものです。小学校玄関前に「主人公」という石碑がありますが、今回の運動会では、私は、児童生徒全員が「主人公」を超え、「大谷翔平」をも凌駕するようなスーパースターとなって最高のパフォーマンスを発揮してほしいと願っています。合言葉は『全身全霊 仲間とともに 心に刻め日浦魂』です。
最後になりましたが、保護者の皆様、地域の皆様には、日頃より、運動会に向けての教育活動に御理解と御協力を賜り、心より感謝申し上げます。今年の酷暑の中、9年生を中心に、1学期末から児童生徒全員で表現できるダンスを考案して参りました。9年生が小学校の各教室に分かれて優しく丁寧に教える光景は、素敵というより感涙圧巻でした。当日は、最上級生の日浦魂が結実し、披露する場となるでしょう。
なお、先日の講演会と同様、QRコードにて皆様からの応援メッセージを頂戴したいと思っております。子どもたちのはつらつとした動きを御覧いただくとともに、秋風吹く山里の小さな運動場一杯の御声援を賜り、子どもたちの熱意を後押ししていただきますよう重ねてお願い申し上げます。
2学期始業式校長式辞より
皆さん、おはようございます。さあ、今日から2学期です。有意義で充実した夏休みを送ることができましたか? 約束通り、9月2日に、皆さんの元気な顔を見ることができて、とても嬉しく思います。
さて、今日は、校長先生が夏休みに学んだことについてのお話をします。それは、校長先生が夏休み中に見た、あるYouTubeについてです。「腰塚勇人」という名前で、インターネットで調べると、神奈川県出身の元先生という内容が、すぐ出てきます。この方は、中学校の体育の先生だったのですが、スキーで転倒し、首の骨を折る大けがをして全身まひ(動かない)の状態になってしまいました。一時は生きる望みを見失っていたようです。しかし、家族や周りの人々の支えや、担任していた生徒からの励ましを受け、苦しい懸命のリハビリを行って、4か月後にやっと歩けるようになり、必死の思いで復帰しました。その後、腰塚先生は、自分の経験を伝えるため全国で講演活動を行っています。そこでは、次のようなことを言っておられます。
「口」は、人を励ます言葉や感謝の言葉を言うために使おう。「目」は、人のよいところを見るために使おう。「耳」は、人の言葉を最後まで聴いてあげるために使おう。「手足」は、人を助けるために使おう。「心」は、人の痛みが分かるために使おう。
という5つの内容です。
皆さん、どうでしょうか。人を励ますような言葉、感謝の気持ちを伝える言葉をきちんと言えていますか? 他人のよいところを見ていますか。他人のすばらしいところを見つけていますか? どんな場面でも話を最後まできちんと聴いていますか? 困っている人がいたら手を差しのべ、足を運んで手伝っていますか? 悩んでいる人の心の痛みを共感してあげていますか? 日浦小中の児童生徒の皆さんは、日頃からしっかりできている様子が感じられます。ですが、もう一度、自分を振り返ってみる機会としてください。そして、これから行事の多くなる2学期です。この5つの視点を大切にしながら、日浦小中全員で充実した学校生活を送ってほしいと思います。是非、インターネットで検索して一人一人がこの腰塚先生の想いに触れて、考えを深めてほしいと願っています。もう一度言います。「口」は、人を励ます言葉や感謝の言葉を言うために使おう。「目」は、人のよいところを見るために使おう。「耳」は、人の言葉を最後まで聴いてあげるために使おう。「手足」は、人を助けるために使おう。「心」は、人の痛みが分かるために使おう。です。2学期も頑張りましょう。
1学期終業式校長式辞より
校長先生には、1 日に「3つの楽しみ」があります。1つ目は、すがすがしい日浦の自然を感じることです。だんだん暑くなってきましたが、日浦の朝は大変爽やかです。川の流れや虫の声も聞こえませんか。ちょっと目をとじて耳をすましてみましょう。木々の緑、鳥のさえずり、川のせせらぎ、風のふく音が心地よい季節となりましたね。毎日、このような自然を五感で感じとるのが、校長先生はとっても楽しみなことなのです。
2つ目は、朝、登校してくる小中学生のみなさんと元気な挨拶を交わすことです。日浦小・中学校は、他の学校と違って、ほとんどの人が市内からバスで通学してきます。それぞれが違う地域から、学びに集まって来ているのです。先生は、みなさんが元気で生き生きと挨拶してこの日浦に集まり、授業中の学習や委員会活動、部活動などに頑張る姿を見るのが何よりの楽しみなのです。
3つ目は、真剣な気持ちでしっかりと学習している学びの様子を見ることです。例えば、小学校では、道徳の時間のお話の主人公の気持ちを考え、「自分だったらどうするだろう・どうしたらよいのだろう」と悩み、考えている姿。算数の時間で、自分が考えた問題の解き方を一生懸命に伝えようとする姿。理科の観察の時間に、細かいところまで植物を見て書いている姿。中学校では、道徳の時間に議論しながら考え、文章を書いている姿。数学の時間に、難しい問題にチャレンジしようとする姿。タブレットを活用して、友達と対話をしながら入力したり話合いをしたりしている姿。美術の時間に、細かいところまで集中して作業している姿。このような、みなさんの「キラリと光る学び合いの瞬間」・「主体的・対話的に学んでいる瞬間」をたくさん見つけました。どの学年も、しっかり学び、自分の力を高めていました。
今、紹介した「3つの楽しみ」のうち、夏休みになると最初の一つしかなくなるのが、校長先生は、ちょっと残念なのです。そこで、先生からみなさんへの宿題を出します。それは、いのちの「い」です。交通事故や水の事故、熱中症に注意して過ごすことです。そして、夏休みの生活のきまりを守って過ごし、楽しい思い出をつくること、1学期で培った力を夏休みを通して熟成させること、定着させることです。そうすると、また2学期には校長先生の「3つの楽しみ」があります。そして、8月29日の登校日には、元気で全員が登校することを願って式辞とします。
日浦小中 学びの勧め(6/15学校説明会での校長挨拶より)
本日は、ようこそ日浦小中学校においでくださいました。私は、この4月より勤務させていただいております校長の日野伸介と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。
今日は1~9年生の全学年の授業を公開いたしました。日浦ならではの「魅力」を感じていただけましたでしょうか。今日は、中学校が7年生から9年生の合同による保健体育、小学校では、中学校教職員による2年生の音楽科、5年生の外国語活動、4年生・6年生では学級担任以外の専科の教職員による授業を参観していただきました。本校の教育計画に関しましては、HP上部の「What is 日浦小中学校」から御覧ください。特に今年度は「いあうえお」という言葉を児童生徒と教職員で共有するフィロソフィーとして、学校の教育計画の中心に置いて教育活動に取り組んでおります。
本校の魅力を3つお話します。
1つ目は、何と言っても、この豊かな自然の中での学習や体験活動の充実です。山紫水明の自然にあふれた教育環境です。朝、私が出勤しますと、まばゆい朝日、やや肌寒い風、やきつくような一面の緑の木々が目に入って参ります。目を閉じましても、鳥のさえずり、川のせせらぎが聞こえて参ります。わずかですが、樹木の香りも嗅覚を刺激します。子どもたちを育てる環境としては、最高の自然環境に恵まれているとは思いませんでしょうか。都市部の喧騒やストレスから離れ、落ち着いた環境で学びを深めることが、義務教育の時期には大変よい影響を与えることはまちがいございません。
2つ目は、この日浦の里の地域社会と密接に結びついていることです。先々週金曜日の夕刻には、ホタル観賞会を実施しました。地域の皆様方やPTAの方々、関係者の皆様の御尽力で、幻想的で何とも言えない神秘的な瞬間を目にすることができました。他にも、小学校の校区内探検や名人さがし、地域に根ざしたSDGsの指導、中学校での炭焼き指導やヒメユリの播種、小中学校合同で実施する田植えと稲刈りなど、日浦ならではの学校行事に加えて、春のたけのこ掘りや夏の川施餓鬼などの地域行事もさかんです。
3つ目は、学級の人数が少ないため、一人一人が主人公となり、教師もきめ細かい指導ができるという点です。現在1年生から9年生の各学級の人数は、最小は5人、最大で11人です。例えば、学習面でのつまづきや困り感に寄り添う形で対応することができます。本校では、教師が手厚く丁寧に教えることができるため、子どもたちを導きやすい教育環境だと言えます。
さて、本日の参観日ですが、「保護者交流会」という形で実施しております。PTA会長さんをはじめ、保護者の方々のお話を聞いていただいたり、疑問点は質問をしていただいたりしながら日浦小中学校への理解を深めていただければ幸いです。立地は、石手川ダム上流という山間部ではありますが、市役所第4別館からは約45分、石手の岩堰のバス停からならば約20分(費用は松山市負担)で到着です。徒歩での登下校は、バス停から小中学校までのわずか数分なので熱中症の心配もありません。
これを機に、本校への入学を希望してくださる方が一人でも増えると大変うれしいです。皆様、是非、日浦へ来て学びましょう。
★ 学校長より
今も、校長室裏の福見川から瑞々しい流れのせせらぎが耳に届きます。松山市立日浦小学校・中学校ホームページを御覧いただき、誠にありがとうございます。本校は、近代日本の夜明けとも言うべき明治5年の学制発布を受けて、維新直後の明治7年に、藤野尋常小学校として創立されました。以来、脈々と受け継がれた日浦愛を紡ぎつつ、多くの卒業生を輩出して参りました。その後、戦後間もない昭和22年に、日浦中学校を併設しました。時代は平成へと移り、平成15年には市内全域から児童生徒の受け入れを開始、翌年16年には、校長が小中を兼務することとなり、一層、小中連携及び9年間の学びを意識した学校運営が行われるようになり、令和の今に至っております。
これまで、石手川上流の山里にて教育活動を続けることができましたのも、「少人数のよさを生かし、一人一人に寄り添う学校でありたい。日浦だからできる9年間を見通した学びを展開したい。」という歴代校長及び教職員の想いが、地域の皆様や多くの保護者の方々から御支持いただけたものと感謝しております。しかし、少子化と高齢化の波は、この自然あふれる日浦の地にも容赦なく押し寄せて参りました。児童生徒数の減少は、学校の存続に直結する大きな試練です。また、昨今の山積する教育課題に真っ向から取り組むべく、少人数ではありますが、小中の教職員が強固な絆で協働し、若手・中堅・ベテランの粋を結集した学校づくりに全力投球しております。今までも、地域の皆様方のお力添えをいただきながら、河中緑の少年隊及び日浦緑の少年団活動、田植え、炭焼き、ホタル、ヒメユリの保護活動など、日浦ならではの教育活動にも尽力してきました。最近では、児童生徒の1人1台端末の導入に加えて、小中の教職員がクラウド上での業務展開を目指し、悪戦苦闘と試行錯誤の毎日でございます。日浦の子どもたちの輝かしい未来を育むべく 「い」命 「あ」挨拶 「う」海山川(自然) 「え」笑顔 「お」思いやり という五つの言葉に込められた願いを、児童生徒と教職員で想いを共有するフィロソフィーとし、教育という大仕事に邁進していく所存でございます。そして、何よりもこの地を慈しむ地域の皆様方の温かい御支援とお心遣いに励まされておりますことに、厚く御礼申し上げるとともに、今後とも日浦の子どもたちに変わらぬ御支援を賜りますことをお願い申し上げます。